[コメント] 虹をつかむ男(1996/日)
一本の映画を撮ってしまわないことには気がすまない、そこまで山田洋次監督にとって、『男はつらいよ』シリーズ、そして渥美清の存在は大きかったということだろう。
田中裕子が中から手を出して西田敏行の手を握るシーンなど、そこまでやるかあ、とは思ったが、なんとも色っぽいシーンで素敵だった。
また運転している田中邦衛の真横で、彼の『若者たち』での真似をするなど、微笑ましい。
映画が大好きな監督はみな、一度は、こういう自分の好きな映画をかき集めて、それへの尊敬を込めて、それを自分の映画の中でつかってみたい、と思ってるんだろうなあ。
だから田中裕子だけのために、『かくも長き不在』を上映した西田敏行は、一種の山田監督の分身ともいえる。そして、自分の好きな映画が同じように観客が好きだとは限らないということを知っているだけの分別はあるが、それでもつくりたいというわがままを貫くのも、山田監督という人なんだろうなあ。
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