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[コメント] スパイの妻(2020/日)

リアリズムにこだわらず、芝居がかった演出で緊張感を生み出し、暗い時代の陰鬱で重苦しい雰囲気を、現実以上の迫力で真に迫って描いた良作だと思う。
シーチキン

特に蒼井優が最初に憲兵本部に呼び出されてからのあたりの、陰影を巧みに用いた画面は何とも言えない、嫌な不安が駆り立てられた。

軍靴の響きなど、敢えて明示せずとも軍国主義と、それに染め抜かれた世の中の空気を伝えている。

私はホラー系統は苦手だから黒沢清監督の作品はそれほど見ていないが、さすがにサスペンスやホラーの名手は、時代の不安を描かせても一流だなあと納得した。

それに高橋一生が妻を励ます台詞の中に「同じ志を持ち、助けてくれる人はきっといる」といったものがあったが、今の時代を鑑みて、監督がなぜ、こういう作品を撮ったのか、ふと考えが及んだ。

(評価:★4)

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