[コメント] 修道士は沈黙する(2016/伊=仏)
一々、もったいつけすぎて退屈な映画。おそらく本作が国際金融に対して皮肉り、風刺しているのと同じような批評が、そのまま当てはまるのではないかと思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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多分、政府系エコノミストたちの、金融資本の利益と安定のために弱者を踏みにじっても気にしない、冷酷さというか、人間味の薄さを批判しているのだろうとは思う。
そのために、エコノミストたちをいかにもすべてを知り、重い苦悩の末に大局にたった英断を下した気になっているように描き、それが一介の修道士によって、断罪され突き放されたように風刺してるのだろうなあ。
しかし余りにもったいつけた展開は、独りよがりにしか見えないのだ。
豪華リゾートホテルを生かした画づくりはそこそこ見れるが、それしかないと思う。
蛇足を承知で言えば、本作の商業的あらすじでは、告解を受けた修道士が宗教上、その内容の守秘義務がある中でどうするか、みたいな展開になっているが、本作を実際に見ると、それはあまりに的外れだと思う。
この修道士は、事件後、能弁ではないものの敢えて沈黙するという態度もとっていない。そしてラストでは要人の求めに応じて自殺した理事との対話内容も話している。何故ならその対話は、彼に、つまり修道士にとっては告解に値しない内容であったから守秘義務も何もないのである。
そういう映画を強引に「告解」の守秘義務と結びつけるやり方はどうかと思う。映画の宣伝のあり方が映画を貶める一つの例だと思うがどうだろうか。
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