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[コメント] 黄金のアデーレ 名画の帰還(2015/米=英)

ヘレン・ミレンの好演は見上げたものである。実話をベースにしているから事の顛末は時に疑問を感じさせるものもあるが、それでもナチスの暴虐をただし正義を行うべしという訴えが時に国を動かすということは特筆すべきと思う。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ナチスとその協力者によって国を追われ、家族を奪われたマリアの深い悲しみは胸をうつ。だからこそ、過去の過ちを認め是正すべきだという訴えは素直に胸をうつものがある。

最初から過去の出来事をすべて見せるのではなく、現在の物語の進行に応じて過去の幸せで裕福な一族と不穏な状況、そして迫害と略奪の様を見せる演出は成功している。

若い弁護士がウィーンを訪問しホロコースト記念碑で自らの血縁者の最期の地が記されているのを知った慟哭は、唐突ではあるが、過去を知ったればこそ、たとえ数十年経とうとも、それを忘れてはならず、罪の清算を求めようと胸に刻むシーンとして納得できるものがあった。

(評価:★5)

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