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[コメント] ヤング≒アダルト(2011/米)

シャーリーズ・セロンの七変化も楽しいが、皮肉のきいた物語も良かった。ことほど左様に人は自分の見たいものを見、聞きたいものを聞き、すがりたいものにすがる。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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一人暮らしのとっちらかした部屋でジャージ姿でくつろぐ姿から、セクシーなドレスにしたり、びしっと決めまくった姿までいろいろ見せてくれたシャーリーズ・セロンはすごい。ここまでやればさすがはシャーリーズ・セロンと素直に感心するし、それぞれの姿での魅力もあって楽しめる。

それにその描き方がいちいち生々しい。実家のある故郷に帰ったにもかかわらず、なぜかホテルを借りる、男と寝るときに自分の足で男のズボンを脱がす手馴れた様、などなど、メイビスの人間像が見えてくる。

物語の方は、要は「自分の居場所探し」ということなのだろう。大都会の片隅で、シリーズ終了を告げられ仕事に翳りがみえて、気がつくと頼りになったり相談に親身にのってくれる友人もいない。で、生まれ故郷の田舎に返って、家庭をつくり小さな幸せをきずいた元恋人をみて・・・という話。

終盤の元カレの愛娘命名パーティーでの様はあまりに痛々しくて同情心もわき、あのさえないオタクとひっついてもそれはそれでいいかと思ったりもしたが、信奉者がたった一人登場しただけで一気に復活。

「連れていって」と懇願する信奉者を「アナタには無理よ」とばかりに突き放し、結局は元居た場所が自分の幸せな居場所とばかりに颯爽と返っていく姿は、美人は最後まで美人としての特権をしっかり活用していくのよ、という宣言にもみえてそれはそれで清清しい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)KEI[*] 中世・日根野荘園 すわ

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