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[コメント] THE WAVE ウェイヴ(2008/独)

何だかあまりにも普通に起こりそうな出来事過ぎて、映画としての感想がまとまりにくい。
シーチキン

ビラをいたるところにおいて回ってから、少女が学校を後にするシーン。なんとも思わせぶりな演出なのだが、妙な不気味さとリアルな恐怖があった。

本当にこんなことがあっさり起こってしまうのではないか?そういう現実に根ざした恐怖感がそう思わせたようにも感じられた。

ファシズム、独裁、排外主義、盲信、盲従、洗脳、集団の圧力、拠り所の発見、人にゆだねる事の気楽さ、自ら考えることの放棄、などなど。

いろんな言い方はあるだろう。この映画に描かれていることの本質は一体なんなのだろうか。それがよくわからない。でも、起こりそうなことなのだ。だから恐ろしい。

「おかしい」と思った時にそれをすぐに口にするということは、簡単なようでもあるし、難しいことのようでもある。だが本当に難しいのは、誰かがそう言った時に自分はどうするだろうか、ということではないだろうか。

発端となったこの実習の目的が「民主主義の長所を学ぶ」ということであるのは、あまりに出来過ぎているというか、何と言うか。いろんな意味で心底、ぞーっとさせられた映画だった。

きれいな女の子もいっぱい出ていたが、突き抜けた女の子もいなかった。ドイツ映画ということで、ハリウッド作のように見慣れた役者もいなかった。それだけに普通だなあという印象が強くなってしまったのだ。そう思いたい。

(評価:★5)

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