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[コメント] 宮廷画家ゴヤは見た(2006/米=スペイン)

思ったより面白くなく、正直、期待はずれだった。美術などはていねいだしそれなりに雰囲気が出ていたにもかかわらず、全体の印象はあまりに薄っぺらで、軽くて、つまらない。スペインが舞台だというのに、スペインを感じさせるものがない。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







異端審問をめぐる二転三転など教会に対する風刺や、ナポレオンの侵略に対する告発などもそれなりにあるのだが、それらすべてが当のスペインにとってはまったくの「外圧」でしかないし、その結果、スペイン民衆はこぞって、まるで風見鶏のごとく、右往左往する存在としてしか描かれていない。

これでは、「ゴヤ」という固有名詞以外に、スペインという国、あるいは社会そのものを感じさせるものがまるでない。

だからドラマチックな展開にしても、「そんな話、何もこの時代のスペインでなくても十分じゃないの?ただの変節漢が、昔の女をはらませた過ちをなかったことにしたいとあれこれ手を回したり、浮いたり沈んだりを繰り返しただけのことでしょ。」という感想しか出てこない。

ただ、いかにも裕福な商家の純真なお嬢様から、その十数年後の狂人、さらに若くしていっぱしの娼婦、といった役どころを一人で演じ分けたナタリー・ポートマンはすごかった。私には、商家のお嬢様が一番魅力的に見えた。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぐ〜たらだんな[*]

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