その密度の濃さには「まだ２時間半経ってないの？」と驚かされた。ついでに言えば「まさかパイレーツみたいに、露骨に中途半端で打ち切って「待て、次回」じゃないだろうな」てなハラハラもさせられた。。

それにしても予告編を何度か見たせいか、この新シリーズのサントラの特に出だしから冒頭の部分、♪チャッ♪チャッ♪チャッ♪チャッチャッチャ♪というのはてっきり「ジョーカーのテーマ」かと思い込んでしまった。

ちょっとジョーカーのキャラクターは時たま軽いところがあったが、少しだけ不安定さを感じさせながらも全体としては、重みと迫力、凄みのあるサントラって、ジョーカーにぴったりではないだろうか。

だが、そういうイメージはバットマンにも確かにあるような気もする。

そういう意味では、最後の最後に、ジョーカーが宙吊りにされながら、「お前は俺を殺せない、俺もお前を殺さない」みたいなことを言うシーンは非常にしっくりときたというか、「おお、そうだろそうだろ、なんだかんだ言ってもあんたら、最後の二隻の船に乗り込んだ群集みたいに似たもの同士だよね」と、素直に感じてしまった。

派手に楽しく、重厚で濃密、という贅沢な楽しみを与えてくれた映画だった。シネスケの評判を見なかったら、劇場公開を見逃すところだっただけに、改めてシネスケに感謝したい。