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[コメント] 赤い月(2003/日)

歴史劇としての「厚み」に、登場人物の「厚み」がついていっていない。☆2でもいいが、凛々しく美しかった常盤貴子にまけて、3点。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







エンドロールが始まって「あれっ、もう終わりか」と感じたから、ダラダラした感じはなかった。激動の歴史を舞台に、そこそこのテンポで仕上げたのだから、ある程度の水準はあったのだろうが、どうも今ひとつヒロインの人間像がとらえどころがない。

奔放な感じでありながらそれだけではない、ということなんだろうが、支離滅裂とまではいかなくても、感情のおもむくままという感じで、生の人間としての「厚み」が感じられなかった。

さらに、戦前の日本による満州侵略の矛盾をそこはかとなく挿入し、歴史ドラマとしての厚みは保ったように見えたが、それもラストの常盤貴子の「ありがとう、満州」という一言でふっとんだ。いくら、「他人の国に来て、そこへ住んでいた人たちを踏みつけにして踊っていた」なんて台詞を口にしても、最後の最後で「ありがとう」ではなあ。

まるで学生演劇のような大仰な台詞回しにはやや辟易した。

(評価:★3)

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