[コメント] 棒たおし!(2003/日)
ストーリーの骨格や登場人物の造形はありきたりと言えばそうなのだが、それは言い換えれば「王道」ということでもある。そしてこれらの点では及第点だと思うが、いかんせん、肝心の「棒たおし」に魅力を感じられない。
確かに高校生の時代に、はたから見れば「なんでまたそんなものに?」と言われるようなものに熱く熱中した思い出は、必ず心地よくなる時が来る。しかしそれはあくまで個人の記憶の中でこそ、そう輝くのであって、他の人の共感を得られるようなものではないのである。
近年、こういう映画は流行であるし、その骨格においてこの映画がけしてひけをとっているとは思わないが、例えば、男のシンクロナイズドスイミングは非常に映画向けというか、その映像だけで「おおっ」と新鮮な驚きがあった。ビッグバンドジャズではみんなと一緒に音楽をやる、という楽しさがあった。俳句では心地よい五七調のフレーズに伝統的な表現方法の再発見があった。
しかし、この映画を見た限りでは、「おしっ、俺も仲間をかき集めて棒たおしに燃えるぜっ!」というとこまで思えないのである。
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