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[コメント] 父、帰る(2003/露)

母、嘆く。
らーふる当番

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







その父は何者なのか、何をしていたのか、結局はわからずじまいだった。

兄は、父に歩み寄る。父という存在、どのようなものかというのをわかっている。弟は、父からの歩み寄りを待っている。ただ、単純にあまえたかっただけだった。

12年間という年月を埋めるには短すぎた旅。全ての期待が空まわった旅だった。結果は、どうしようもない事。ずれた歯車は、戻らない。

親子がいつ、本当の親子になっていくのか期待を抱きつつ見ていた。父の無言の行動も愛情表現であろうし、子供達の態度も当然かと思いつつ。徐々に解かれるパズルのような期待だった。そのためか見ている時間もあっという間に感じた。結果に愕然としたが、不思議と納得もしていた。その後や父のとっていた行動など不可解な点も多いが、それはそれでよかった。

ただ、見終えて兄弟のことよりも母のことの方が頭に残っている。

帰ってきた相手に嘆いたかもしれない。喜んだかもしれない。

帰らぬ相手には、いずれにしろ嘆く他なかった。

(評価:★4)

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