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[コメント] デブラ・ウィンガーを探して(2002/米)

ハリウッド女優達の「正直しんどい」。
きわ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







イギリスやフランス辺りのヨーロッパの市場と比べて、ハリウッドは40代以上の女優の活躍の場がぐっと少ないというのはよく言われることで、この映画の核の『女優という職業は、家庭と両立できるのか?』のテーマが開始1分で吹き飛んでしまっているのは、「んなことよりここ(ハリウッド)で女優やっていくこと自体がキツイんだよ!!!!」という彼女達の叫びの前には仕方のないことだ。マーサ・プリンプトンなんか後半ベロベロで愚痴る様子はウディ・アレンの映画かなにかのキャラクターみたいで、もしかして演技かっていうくらい面白かった。 インタビューは、監督のロザンナ・アークエットが偶然プレミアで出会った顔見知りの女優や、偶然そこに出会わせた女優なんかもあり、日本ではさほど有名ではない顔ぶれが大半を占めている。そういう人たちの話はなかなか聴く事もないので興味深いけれど、やはり大御所や、逆に男性にももう少しインタビューしてほしかった。たしかにこれだけ「やや売れ」の女優が多いとただの「愚痴聞いて来ました」にしかならない。

以下は気になった女優です。

ローラ・ダーン。この人の撮影が誰よりも雑で(明るい時間帯に撮れなかったのか?)気になるけど、彼女のしゃべり方が気になる。気になるというより気に障る。首があっちこっちクネクネして、手がヒラヒラして、語尾がのびて、よく居るいい年してカワイ子ぶる女のしゃべり方だ。話してる内容も一向に頭に入ってこなかった。(DVD特典の彼女の詳細をみると、やはり「恋多き女」らしい。ふーん。←ただのやっかみ)

シャーロット・ランプリング。「私は彼女(カトリン・カートリッジ)について来ただけよ。」といってゆったり椅子に座り、鼻息あらくする監督の質問もさらりと受け流す余裕。他の女優達、ジェーン・フォンダヴァネッサ・レッドグレヴさえも及ばないほど、なにか超越した雰囲気があって、別次元に居るようだった。こういう人だから年齢関係なしに輝けるんだろう。「この映画に彼女が欲しい」と声がかかるんだろう。これが女優なんだな。

グウィネス・パルトロウ。出てる女優の中で一番話しずらそうだった。そりゃあそうだ。彼女は自らも言うとおり、環境に恵まれて若いときからあまり苦労もしなかったし、この時点でアカデミー賞もすでにとってる。飛ぶ鳥落とす勢いの彼女には、他の女優達のように愚痴やら不満やら裏の暴露話なんで出そうにも出てこないだろう。そこに「女優と家庭は両立するか?」なんて質問はあまりに間が抜けてる。(関係ないかもしれないけど、なぜか彼女を撮る時だけすっぴんの肌が執拗にズームされている。ふきでものとか。意地悪いなあ。女だなあ、監督。)そしてこの後彼女は無事に結婚し、同時にどんどんキャリアも伸ばしてるので、この質問はいっそう虚しい響きになる。

そう考えると、「女優という職業は、家庭と両立できるのか?」という疑問の答えは「ある女優に限り可能」ということになるのか。「ある女優=なんらかの事情(旦那が裕福・もともと裕福)で生活が安定していて、年齢関係なく仕事が舞い込む才能のある女優」と。(08/01/22 DVD)

(評価:★3)

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