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[コメント] スローイング・ダウン ファストファッション(2016/米=仏=英)

バングラデシュのラナ・プラザでの崩落事故等実在の事故を扱っている。途中から合成繊維が地球に悪く、ウールを使おうというプロパガンダがはじまるのだけれど、この映画、スポンサーがウールマーク。宣伝とドキュメンタリの複合なんだけど下心見え見えで失敗。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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スウェットショップは駄目だよ、労働環境に気を使いましょう、という部分には皆頷くと思うのだけれど、じゃあウールを使いましょう。という結論に辿り着くまでの理屈が足りないから無理な飛躍をしているし、ただの宣伝だと思われるんだよな。高くて良い物を買って長く使いましょうとか、おおまかな所は賛同出来るんだからそこに理屈で肉付けなきゃドキュメンタリではないでしょ。おおまかな情緒で地球を救いたい、途上国のスウェットショップは駄目だね、ではね。映画にスポンサーが必要なのも判るけど、隠すのも下手くそ。

この途上国のスウェットショップ批判というのは主に左派が扱うテーマだ。ただ、右派で日本関係無いと思ってる人がいたら、それは全く違う話。こういった海外で人の扱いが雑な企業は結局日本でも人を安く買いたたいて酷使するしね。このスウェットショップ関連では右派にとっては悪名高いヒューマン・ライツ・ナウとかが動いている。ウォール街占拠運動ではナオミ・クラインとかが現場に出てきた。”99%の反乱”という山形さんが訳した本では左派のアジテートが読める訳だけど、アナーキストも出てくる。私は別に左派じゃ無いし、この手の連中がやってるデモクラシー・ナウっていう番組も陰謀論が出てきて見る方が辛い。この手の自分がどこまで際に寄せて物を言ってるか自覚が無い人がサンダースに付いた。そうするとツッコミ放題でそれでヒラリーに負けた部分がある。(実際は政治家本人以外は政治力無い訳(そこで際に行き過ぎない様クッション挟むために間接民主制であるという事は認識したほうが良いね)でフェアで無い批判も多い訳だけど、ね。)

日本で野党党首が公務員の給与を減らすと解釈出来る発言をして保守から批判も受けたのだけれど、重要だと思ったのは左側のイデオロギーの会話ばかりしている人たちから”ためにする”を止めてまとまった批判が出た事だ。(この変化は大きい。日本では緊縮批判が左派から規模をともなって出てくる事すら期待が薄かった)自分の支持者から批判が出る。これは大きいのだ。与党で言えば首相も3%給与を上げろと経団連に言ってるが、これはナメていると保守の人こそ声を大にして言うべきだ。それに3%発言はアリバイ作り(言うだけならタダだからね)程度だと考えても良い。実際に与党やちょうちん持ちの経済学者は派遣会社の取り分規制をしろと言った事は(少なくとも私の見てる範囲では)無い。それをやれと与党支持者は与党に言うべきだろう。与党は実際に実感出来る結果を出せ。(私はためにするのは嫌いだから、派遣業の取り分規制が出来た時にはそれに関わった当事者を与野党問わずに絶対に賞賛するよ。)そうじゃないとアベノミクス成功論はあと少し時間が経てば成功したと竹中が弁明した小泉改革と何の差があるんだと記憶されるだろう。(面の皮が厚いから恥を知らないんだろうがよ。経済は人を殺すとか言って相手を批判するけど、アベノミクスとその中で無批判な支持者はワークングプアを詰めたと記憶されるぞ。新卒の扱いが云々とか言うだろうけど、ワーキングプアにはその人自身の人生がある訳だからね。あと新卒でも良い職は減り続けているから、今の新卒は就職浪人はしなくても良いかもしれんけど、キャリアを作れるかは相当怪しい部分がある。)

モリカケの議論が大嫌いだ、何故そんな事を議会で喋るんだと言ってた保守が多かったのを私は覚えているが、野党党首が駄目な発言をしたからといって、場が望んだ話が出来るようになった事を忘れてはいけない。釘をさしつつ、そのまま話が続くように調整をするのが肝要だろう。それともモリカケの話に戻したいの?それこそ”ためにする”だと思うけど。

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