[コメント] 悪の階段(1965/日)
本作は、この小屋が主役とも云える。いや、この小屋の中にある、地下室へ降りるための階段が、本作の表層的なタイトルロールと云っていいだろう。美術は中古智だ。
前半の強盗場面は2回あり、いずれも不要不急なズーミングが多く、私は気が散った。中盤からズーミングの数自体が減ったのだろう、気にならなくなる。1960年代の後半になると、鈴木英夫でもズーミングに無自覚になるのか。
久保明が、夜、団令子に手伝ってもらって、砂を屋外、原っぱに捨てに行く場面の、原っぱの俯瞰が特記すべき素晴らしいカット。あるいは、自動車を岸壁から海へ落とすカットも見事だ。
ラストの砂丘の場面。追跡者を映しこんだラストカットは蛇足だと思う。独り砂丘を歩く後ろ姿のカットでエンド、で良かった。もっとも、恐ろしく力のある縦構図ショットてはある。
#正直、かなりの傑作と認めるのですが、生来のズーミング嫌いという哀しき性(さが)により、3点です。悪しからず。
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