[コメント] ターミネーター(1984/米)
やはりこの映画はサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)という女性の映画なのだ。レプリカント・ロイ(ルトガー・ハウアー)の映画やハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)の映画とは全く別の映画なのだ。あのような心苦しい感銘は無いのである。逆にそこがストレートな活劇としての良さでもある。
『ブレードランナー』を意識して作られ『ブレードランナー』を超えることができなくても、そんなことは構わない。先が読めるプロット展開だがこの面白さが損なわれることはない。『ブレード・ランナー』とは全く違う次元の映画的興奮に溢れている。細部の豊かさにおいて完全に劣るとは云え、もっとストレートに胸を打つ映画だ。それはヒーローとヒロインがいるということであり、主人公の変貌(もっと云うなら成長)が描かれているということである。そういう意味においてこの映画は「教育」を描いた映画だ。
悪役、敵役の怖さ、ということで云えば残念ながらこのターミネーターにはレプリカント程の怖さがない。それは感情が描かれていないからかも知れない。だから狂気的なところまで行き着けないのだろう。
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