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[コメント] 裸のキッス(1964/米)

オープニングは、コンスタンス・タワーズが男から金を巻き上げていくシーン(と云っても75ドルだけだが)。こゝで有名な坊主頭姿が見られる、強烈な出だしだ。
ゑぎ

 舞台がグラントヴィルというスモールタウンに移り、メインのプロットが始まるが、タワーズが最初に一夜を共にする男は刑事アンソニー・アイズリー。この刑事が、ラストまで絡むのだが、イマイチ一貫性の欠ける造型で残念。また、タワーズが間借りする部屋にはマネキンがあり、第一歩兵師団(ビッグ・レッド・ワン)のピスヘルメットをしているという趣向。これもフラーの署名みたいなもので、お話には絡まない。

 本作もフラーらしいアップが多い。オプティカル処理でのブローアップも何度かある。でも、タワーズが歩くカットなど、美しいフルショットも沢山ある。女性の美しさ、と云うことだと、タワーズが職に就く児童施設の看護師仲間や、キャンディの店という娼館のエスコートガールで、美人が沢山出て来る映画だ。

 特筆すべきは、子供たちとタワーズが唄う「Little Child」という歌のシーン。彼女の歌声が、とても綺麗なので驚いてしまったが、「王様と私」の舞台なんかもつとめているのですね。知りませんでした。ちなみに、子供たちの中で一番目立つキップ少年は、『テキサスの5人の仲間』のウッドワードの息子役の子。

 後半は、タワーズが町の有力者に見初められて結婚か、と思いきや、どんどん良からぬ方向へプロットが進んでいく、という展開。しかし、この有力者役のマイケル・ダンテという人、登場から気持ち悪い顔なのでした。しかし、殺人事件から、真相を究明しエンディングへ繋げる、終盤の話の運びは、少々冗長で、私はよろしくないと思う。ラストカットの大俯瞰は見ものですが。

(評価:★3)

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