[コメント] ゴースト・ドッグ(1999/独=米=仏)
『デッドマン』でノーボディを演じたゲーリー・ファーマーが、「Stupid fucking white man!」と叫ぶシーンの緊迫感の中の滑稽さなんて絶品。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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フォレスト・ウィッテカーは、監督業は諦めて俳優業に徹した方が良いんじゃないかと思う。ぱっと見た感じ鈍重なイメージなのだが、その実、とてもシャープな演技のできる人だ。
ジャームッシュらしい緩やかなフェイド・アウトと、「葉隠」のパラグラフの字幕が紡ぎ出すリズムがとても心地よい。また、老いぼれたマフィア達が実に面白く、しかも冷ややかに突き放した演出ではなく、暖かな眼差しで見つめられた演出であるところがこれまた気持ちイイ。「ゴースト・ドッグ」という名前からの連想で変てこなインディアン(ネイティブ・アメリカン)の名前を連呼するシーンのおかしさったら!また、ゴースト・ドッグの住処の屋上まで息をきらして登ってきた老ギャング2人が遭遇するインディアンは、『デッドマン』でノーボディを演じたゲーリー・ファーマーなのだが、彼が「Stupid fucking white man!」と叫ぶシーンの緊迫感の中の滑稽さなんて絶品。
鈴木清順『殺しの烙印』のパロディ(?)である水道管を利用した狙撃シーンも狙撃シーン自体より、その前のバスローブ姿でダンスするクリフ・ゴーマンの方がよっぽど面白い。
ってな具合で印象的な細部を上げていくとキリのない、とてつもなく魅力的な映画です。
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