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[コメント] セコンド アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転進(1966/米)

タイトルバックは、いびつなレンズ(フィルター)で撮った顔面のさまざまな接写。なんかとっても分かりやすく、本作のテーマをシンボライズする。クレジット開けは、駅のコンコースで、歩く男の斜め後方から撮った移動画面なのだが、台車のようなものに人物と共にカメラも載せて移動している。
ゑぎ

 この人物とカメラが台車に同乗した画面は、中盤のパーティシーンで、ロック・ハドソンが部屋の中を歩き回るカットや、ラストの病院でのストレッチャーでの移動カットでも繰り返し現れる。これらは、自分の運命を他者に任せてしまった感覚、或いは、暴力的に人生を狂わされる状況を象徴して、恐怖を増幅させる演出なのだろう。本作でジェームズ・ウォン・ハウはオスカーノミニーだが、ちょっとあざとい撮影だ(というかフランケハイマーの演出というべき)。いや、むしろウォン・ハウの仕事として特筆すべきは、ワイン造りのパーティの場面だろう。こゝは手持ちでズーミングも頻出するが、ちょっと普通じゃない狂騒的なシーンをカメラの視点として余すところなく実装しており、見応えがある。

#備忘で配役等を

・邦題にあるアーサー・ハミルトンはジョン・ランドルフが演じる。

・ゴーギャンの絵が壁にある部屋。契約を促す男はジェフ・コーリイ

・組織の創設者がウィル・ギア

・整形手術をする医師にリチャード・アンダーソン。手術シーンは執拗。

・ロック・ハドソンは、マリブ海岸の家に住むことになり、画家になる。

・執事にウェズリー・アディ。カーディガン姿が印象的。

・浜辺で女と知り合う。サロメ・ジェンズ。「良いことは雨の日に始まる」

・最初にこの組織に誘ったチャーリーは、マーレイ・ハミルトン

・ラストの牧師はカール・スウェンソン。(ウォルナット・グローブの製材所のハンソンさん)

(評価:★3)

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