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[コメント] ブレイブ(1997/米)

これを見ると、ジョニー・デップ監督作をもっと見たくなる。きっと撮る度に良くなるに違いないという思いを抱かせる。本作でも、例えばデップ達が暮らす集落(これはこれでなかなか面白いのだが)の造型(美術装置)にもっと工夫があれば、かなり違っていただろう。
ゑぎ

 まず、巻頭10分間セリフ無し、という出だしから、演出の決然たる姿勢が感じられるし、マーロン・ブランドのカリスマとしての見せ方、フレデリック・フォレストの常軌を逸したキャクター造型など、ちょっとシネフィル志向な趣きはあるが、並々ならぬ演出だ。そして特筆すべきは、祭りの日の岩山でのエルピディア・カリーロとの絡みのシーンだろう。背後からカメラが前へ回っていく移動カット。夕景の中での二人のシルエットが艶めかしい。これはかなりよく出来たラブシーン。こんな美しい場面を処女作で挟み込むことができた、というのが才能の表れと思えるのだ。また、ルイス・ガスマンを襲った後、傷を負ったデップが川に頭まで沈み、同一カット中にカメラがでゆっくり引くと、川岸にいるデップを映す、というトリックのようなカットもある。これが効果的かというと、首をひねってしまうのだが、それでもいい。映画を撮る喜びが伝わってくる。

(評価:★4)

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