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[コメント] ニッポン国 古屋敷村(1982/日)

小川紳介は取材した素材を全部詰め込みたかったのだろうが、かなり雑多な印象を受ける。大雑把に云うと、4つの話が繋がれる。まずは稲の受粉の話、続いて炭焼きの話、そして、後半は養蚕の話と大東亜戦争の話だ。
ゑぎ

 全体としてイマイチ統一感はないのだが、しかし、全ての挿話がとても興味深い。中でも、殆どの観客は、戦争について語られる場面、特に軍服を着てラッパを吹くお爺さん、なんかに感動すると思うのだが、私は初っ端の稲の受粉のシークェンスがとても良いと思った。科学映画のような受粉のメカニズムの紹介部分も目から鱗だが、映画の画面としては、山の天気−シロミナミと呼ばれるヤマセ(冷気)の表現、その白いガスの画面への定着と、模型を使って冷気の通り道を再現する場面の、白いドライアイスの煙のカットが素晴らしい。こゝまでやるか、という徹底性に感動してしまう。同時に白い煙の動きのエロティックさにもグッとくる。撮影は田村正毅だ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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