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[コメント] 痴人の愛(1934/米)

いやあ、「ベティ・デイヴィス、すっげえ!」という感想に終始する映画ではあるのだが、ジョン・クロムウェルの才気あふれる演出にも感心した。例えば、ほゞ正面のバストショット、カメラ目線という小津のような切り返しが何度も出てくる。
ゑぎ

 これってサイレント臭い稚拙な演出とも云えるのだが、狙ったものなのか、結果オーライなのか分からないが、デイヴィスの大きな瞳を強調する効果に繋がっているのだ。最初のデートのシーンでシャンパンを飲むデイヴィスのカット、その「Bette Davis Eyes」には感動する。あるいは、パンニングで場面転換をする処理も多用される。これも今見ると古い技法かも知れないが、しかし簡潔に時空を飛び越える上手い処理なのだ。

 ベティ・デイヴィスに対比するように真面目なキャラクターの女性が2人登場する。主人公レスリー・ハワードがデイヴィスに振られて最初に付き合う年上?の女性がケイ・ジョンソン。もう一人がレジナルド・オーウェンの娘役フランシス・ディー。フランシス・ディーも魅力ある大好きな女優だし、本作は、ラストを彼女が締める構成なのだが、しかし全くデイヴィスの引き立て役に過ぎない。このフランシス・ディーをもう少し魅力的に演出していれば、と思ってしまう。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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