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[コメント] 嘆きの天使(1930/独)

マレーネ・ディートリヒは既に恐るべき存在感で得体の知れないオーラを放っている。こんな最初期からも年齢不詳だということが分かる。ただし、まだかなりポッチャリしており、この点では若さを感じる。
ゑぎ

 幼少のみぎり見たときにも面白い映画だとは思わなかったが(そりゃ、小学生ぐらいでこの映画を面白がれるわけがないと思うが)、ディートリッヒ+スタンバーグ作品ということでは、矢張り、ハリウッドでの全盛期(『間諜X27』『上海特急』『ブロンド・ヴィナス』の頃)と比べると幾分落ちる。エミール・ヤニングスの描き方が酷すぎて見ていて辛い、確かにその徹底的な演出ぶりは「映画」だと思わせるものなのだが、悲壮さにも私はある種の爽快感が欲しいのだ。ネチネチし過ぎているというか。鶏の鳴きまねはちょっとやり過ぎだ。

 また、このようなプロット上の好悪以上に、ナイトクラブの空間描写に力が足りないと思う。そこが一番残念な点だ。それは例えば『紐育の波止場』の酒場や『間諜X27』のパーティ会場の造型と比べてしまうからなのだが。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] ぽんしゅう[*] 寒山拾得[*]

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