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[コメント] 沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇(1995/仏)

クロード・シャブロルの演出は処女作『美しきセルジュ』から成熟していたが、今や揺るぎない安定感。別にこれといった事件の起こらない前半から、描写が丹念で実にサスペンスフル。隠し事を周囲に気づかれないよう行動する様を追いかけるだけでこれだけ緊張を醸成する演出力はやはり流石だ。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 登場人物は少ないがなかなか豪華キャスト。イザベル・ユペールは憎たらしいぐらい巧いのだが、なんだか近年汚らしくなってしまった。サンドリーヌ・ボネールにはやはり性的な魅力がない。男みたいだ。画面で明示されていないが、明らかにこの二人はレズビアンなのだろう。ラストの惨劇シーンでユペールが散弾銃を持ちながら「さあ行くよ」なんて声をかける場面は仁侠映画の殴りこみ前のシーンや西部劇等のバディ・ムービーのクライマックスを思い起こさせる。まだまだ美しいジャクリーン・ビセット、まだまだ元気そうなジャン=ピエール・カッセル、そして初々しいヴィルジニー・ルドワイヤン。皆適役だ。

 ユペールの帰結は余りにあっけないが、これはこれで良いのだろう。結局テレビ好きはみんな酷い目にあう。

(評価:★4)

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