[コメント] 蛇の穴(1948/米)
題材が題材だけに臭い芝居も多いのだが、流石にアナトール・リトヴァクだけあって縦横無尽によく見せる。
複数の回想構造といいダンスパーティのクレーン移動等のケレンみといい絢爛たる演出と云えば云い過ぎ(或いは被写体と不釣合い)かも知れないが、それぐらい云いたくなる。
役者では主役のオリヴィア・デ・ハヴィランドがオスカーノミニーに相応しい絶叫演技で文句無く映画を引っ張るのだが、多くの脇役も印象に残る。特に怖い看護婦を演じるヘレン・クレイグという人はちょっとボリス・カーロフにも似た怖い顔をしており、後で優しくなるのだろうと思いながら見たが、そんなこともなく、こういうキャラクターが後のルイズ・フレッチャーなんかにも影響を与えたのだろうと思わせる。あと、終盤登場し全く他者とコミュニケートできない、とびっきりの狂気を体現するへスター役は『マーティ』のベッツイ・ブレアだ。この人には驚きました。やはり強烈に印象に残る。
#その他の役者を備忘で記す。
巻頭、ハヴィランドの隣に座っているのはセレステ・ホルム。担当医がレオ・ゲン。夫はマーク・スティーヴンス。ハヴィランドの回想の中の彼氏の役でリーフ・エリクソン。
ハヴィランドの幼少期の子役は、どこかで見たことがあると思ったら、『東京ジョー』のハンフリー・ボガートの子供と同じ。
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