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[コメント] ザ・プロム(2020/米)

まずは、プロット上の真の主人公エマ、ジョー・エレン・ペルマンのことを書こう。彼女は泣き顔もあるが、ほとんどのシーンで笑顔だ。「怖い」とか「緊張する」というような科白の場面でも、微笑んでいるように見える。これは本作のとても良い点だ。
ゑぎ

 私にとっては、メリル・ストリープら、ミドルエイジ(控えめに言葉を選んでいる)による、醜悪な(これは云い過ぎ)ミュージカルシーン(数が多過ぎ)の合い間で見られるエマの笑顔が清涼剤だった。

 実は、私はミュージカル映画を見る際、いつも、往年のMGM映画のような、大規模プロダクションナンバー(『雨に唄えば』のブロードウェイメロディのような、『バンドワゴン』のガールハントバレエのような)をやってくれていないか、ということを気にして見てしまうのだが、本作もこの点では期待には応えてくれなかった。クライマックスのプロムのシーンで、もっと凄い画面造型を期待していたのだ。ショッピングモールの場面(噴水の前でのダンスなど)がロケでなく、セットなら、かなりお金がかかっていると思うのだが、画面造型としては、大プロダクションナンバーとは云えないレベルだろう。

 私が一番気に入ったミュージカルシーンは、ボブ・フォッシーへのオマージュ、ニコール・キッドマンとジョー・エレン・ペルマンが二人ソファに座って会話するシーンで、キッドマンが「シカゴ」について語り始め、次第に二人で唄い踊る「Zazz」の場面です。フォッシーらしい振付と階段を使ったダンスがいい。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)プロキオン14[*]

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