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[コメント] とんかつDJアゲ太郎(2020/日)

原作やアニメ化作品の知識は全くなく見る。まず、非常に限定された地域、渋谷の円山町を舞台にした、ご当地映画である、ということに驚いた。ある意味、円山町が主役の映画なのだ。
ゑぎ

 道玄坂交差点からシネマヴェーラの方へ抜ける「しぶや百軒店」の通りなんかも何度か映る。「しぶかつ」の大将・ブラザー・トムと円山旅館の主人・おかやまはじめが、道頓堀劇場のことを話している科白がかすかに聞こえてきたりもする。

 そして、本作の良さは、何と云っても主人公のアゲ太郎・北村匠海をはじめとする仲間達の性格が、映画的な点だ。自分たちのトンデモさ、場違いさの自覚や自嘲が全くないのが清々しい。それだけに、もっとノリの良い作品にできなかったのだろうかと思う。とんかつ屋とDJの相似性も面白かったのだが、このあたりの奇異さ、可笑しさをもっと押した方が良かったのではないだろうか。

 あと、クラブ「WOMB」でのデビューで大失敗した後、山本舞香が練習場所へ訪ねて来て、自分も失敗ばっかりだ、と云うシーンがなかなかいい。山本はちゃんとヒロインとして造型されている。そして、DJの師匠、伊勢谷友介がもう一人の主人公と云ってよいほど、よく目立ち、見事な存在感を示している。正直云って好演です。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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