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[コメント] 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編(2020/日)

原作未読、過去のアニメ化作品も全て未見の状態で見る。なので、この映画一本(単体)に対する映画ファンとしての私の感想を書きます。(今さら何を、と思われることも多いでしょうが。)
ゑぎ

 まず、キャラクターデザインと作画・演出に関して、ギャグ漫画テイストが強いことに吃驚してしまった。例えば、目の表情の演出、縦線で影を表現したり、目が点になったり。また瞬きが少ない。特に煉獄杏寿郎の目は何なのだ。全編で2、3回しか瞬きしない。それ以上に、煉獄については、顔アップの出し方のタイミングが奇異で引っ掛かりまくった(しかし、これも慣れると、笑わせられる)。また、人物の表情の動きが少ないことと対照的に、モノローグ(独白・心の声含め)が多すぎる。アニメーションって、そうなりがちだと思うが、ずっと誰かが喋っている。心理を説明し過ぎ。これにより殺陣シーンも間延びしている部分が多い。

 ところがだ、夢の中の無意識領域と「精神の核」のあたりから乗ってくる。それでも、眠り鬼、下弦の壱との闘いでは、炭治郎と伊之助の奮闘ぶりには熱くなるが、蛇花火のオバケみたいな鬼の表現がチープなのと、柱(ってメッチャ強いという意味だよね)の煉獄は、車内で乗客対応をしており、フラストレーションを溜める。こゝが、もしかしたら、戦略的な部分なのかもしれない。続く、上弦の参との闘いは、煉獄がほゞ一人で想像を絶するアクションを披露するのだ。それに、この鬼の強いこと強いこと。あゝこの映画は、単体で云うと、煉獄が真の主人公なのだ感じる。闘い後、炭治郎が泣きながら上弦の参に叫び続ける場面がたまらんです。こゝは、本シリーズのこれだけの人気がオモンパカれる良いシーンです。また、陽光の表現も見事なのだ。という訳で、この起結には感動した。私は、序盤から終盤に向かって、いろいろと逐次展開されて、上手く興奮させられた(術中にはまった)と思う。

 タイトルの無限列車。汽車の外観や疾走シーンの躍動感はいいのだが、もっと凄い画にできないのかな、とも思った。実写では誰もカメラを置いたことがないアングルで見せられないのか。そういうこともあって、私にとっての本作の副題は、やっぱり「煉獄杏寿郎編」ですね。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)irodori[*] disjunctive[*] カルヤ[*] ジョンケイ

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