[コメント] 家族を想うとき(2019/英=仏=ベルギー)
家族揃った夕食時に呼び出されるアビー。皆でワーゲンのバンに乗り向かう。歌を唄いながら。駆けつけたシーンで、アビーは「私はあなたから学んでいる」と云う。素晴らしいアビー。アビーの聡明さ!
でもそんなアビーも、病院では切れる。...といった展開が顕著だが、皆、優しさもあれば、怒りや不寛容、あるいは間違いもある。息子のゼブも娘のライザも、劇中で複数の面(顔)を見せる。その見せ方が、上手すぎて、嫌らしいぐらいだ。作劇臭くなるギリギリのところで踏みとどまり、冷厳に突き放したカメラの視点で現実らしさを装う。
エンディングも頑迷な意志のみなぎる厳しい展開・演出だが、この後のリスクをおもんぱかりながらも、登場人物の思いやる気持ちの強さを考えると、これはこれで、ある種のハッピーエンディングだと思った。そういう面も含めて、作劇は、嫌らしいぐらい狡猾なのだ。映画作りの姿勢として好きではないが。
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