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[コメント] スマホを落としただけなのに(2018/日)

演出のやる気が感じられない残念な出来だ。メチャクチャ酷い、という訳でもないので余計に困ってしまうのだ(というか、観客を舐めていると思える)。実はこう見えても、何か良い点を記録したいと常に思っているのだが、本作については、難点しか指摘できない。
ゑぎ

 まず、第一に北川景子が演出できていない。このレベルの美形、いわば1億人に一人といったレベルの人だと思うのだが(ちょっと大げさ)、普通に考えると、映画スターやモデルのような役しかリアリティがないのだ。そこを、オフィスワーカーを演じさせて、映画的現実に変えるのが演出だろう。映画の登場人物としての「普通の女性」と「アホの類型」を取り違えているのではないか。

 続いて悪役。犯人の偏執狂的イメージも、ありきたり過ぎて全然つまらない。このディレクションでは役者が可哀想過ぎる。そして、サポート役。刑事、千葉雄大の、犯人との中途半端な同一性と、原田泰造の木偶の棒ぶり。原田も何かやりたそうなのに、全然やらせてあげない。その他の脇役も一人として、良い造型はない。これだけ出て来る演者が全員映画らしくない、というのは、演技の責任ではなく、プリプロダクションにおける設計ミスと撮影現場の監督中田秀夫のディレクションの責任としか云いようがない。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)さず[*] irodori けにろん[*]

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