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[コメント] イコライザー2(2018/米)

これも面白い、のみならず、突出した画面造型を持った活劇だが、それにしても、デンゼル・ワシントンが強い。強すぎる。
ゑぎ

 ブリュッセルでの事件と、主人公ワシントンの卑近な世直し行為とをクロスで繋ぐ構成を、メリッサ・レオが橋渡しして、プロットが交錯するのだが、イマイチ、スカッとした繋ぎでない。例えば、ホテルの暴漢2人組みの再登場や爆殺場面なんかは、性急過ぎる。あるいは、ワシントンの隣人で画家を夢見る若い友人、アシュトン・サンダーズの造型は全般に良いと思うが、ギャングの仲間から奪還するクダリは、ちょっとやり過ぎかもしれない。前後のプロットが省略され過ぎている感覚を持つ。アシュトン・サンダーズがらみでは、ワシントンの部屋で、書棚の裏に隠れるシーンは出色だ。マジックミラーの使い方は、イーストウッドの『目撃』を想起する。

 イーストウッドと云えば、クライマックスの嵐の中の浜辺の町での対決は『ペイル・ライダー』なんかを思い出させる、西部劇志向の場面設定だ。激しい風雨の道具立ても効果的だが、住民が全員避難している状況なので、無人の町、ゴーストタウンのような舞台設定をシンプルに作り出している。嵐に関しては、中盤ぐらいから、その到来についてジワジワと描き込まれるが、なかなか来ないで、クライマックスで過剰に見せてしまうという扱いもいい。

 あと、ペドロ・パスカルも雰囲気のある良い役者だと思うが、やっぱり怖さが足りない。ワシントンに拮抗する要素が微塵も描かれない。

#登場する書籍は「世界と僕のあいだに」「シッダールタ」「失われた時を求めて」

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)DSCH 死ぬまでシネマ[*] けにろん[*]

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