[コメント] エンドレス・ポエトリー(2016/仏=チリ=日)
ことさらにアレハンドロ・ホドロフスキーが「マジック・リアリズム」だと喧伝されるのには、実は、違和感がある。なぜなら、良く出来た映画のカットは、すべからく(たとえノンフィクションであっても)、「魔術的現実」ではないか。それは「映画的瞬間」という言葉と同意なのだ。
完全な光。とにかく美しい色使い。クリストファー・ドイルらしいカメラワークはあまり感じなかったが、色の定着には貢献しているのだろう。
こゝでも、パメラ・フローレスが圧倒的パフォーマンスだ。相変わらず、科白が全てオペラ歌唱の母親役も見事なのだが、何と云っても、巨女ステラの造型は驚愕の演技演出だ。カフェ・イリスの造型の面白さも、シナジーとして効いている。また、アダン・ホドロフスキーのエンターテイナーとしての実力に惚れ惚れした。特に道化のシーンは見事だ。その他、親友エンリケの恋人、小人の女との情交、骸骨の軍団と赤鬼の軍団の交錯、骸骨のイメージ、黒子の扱いなど、全体に、前作以上の満足度だ。
#「完全な光」とは、ラスト近くのアダンの科白。本作が目指したのも、そこなのだろう。到達したかどうかは別として。
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