[コメント] 昼顔(2017/日)
部屋のベッドや床は勿論、川岸のウッドデッキや川の中、そして、夜の線路にも横たわる、という横臥の演出へのこだわり。或いは、伊藤歩と上戸彩への、歩けない、という状況の演出。
あゝ映画だ、と感じるカッティングがいくつもある。例えば開巻から、平山浩行との面接シーン、一人暮らしのスケッチ、そしてウインド・サーフィンをする平山が自転車で行く上戸を見るカット。この辺りまでの冒頭数分間のカット割りでも、その端正さに唸ってしまうのだ。或いは、「三浜自然の森」の、百葉箱がある川岸のシーンも、その悉くがキャッチするカッティングに溢れている。クレーンやドローンの使い方も、お手本と云いたいくらい巧い。
そして何といってもクライマックスの、伊藤歩が運転する自動車と、上戸彩の祭りの場面のクロスカッティング。実に見事なスリルの構築だ。車のフロントガラスに映り込んだ打ち上げ花火の外連味。その後の、上戸彩が夜の線路でのたうち回るディレクションも何という映画性。
惜しむらくは、エンドクレジットの措置だろう。どうしてこんなテレビドラマのような甘いシーンを入れたのか。単に、百葉箱だけのカットで終わる、ぐらいの方が百倍マシ。このクレジットバック処理で一点減点。
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