[コメント] ミニー&モスコウィッツ(1971/米)
ほとんど怒鳴りあっている映画。また、殴る映画でもある。カサヴェテスは出演者としては、タイトルクレジットに出て来ないのだが、重要な役で出番がある。ローランズの恋人(しかし妻子ある男)の役。美術館で息子を連れてあらわれ、ローランズにビンタされる。
ジーナ・ローランズとシーモア・カッセルが、夜、二人で車に乗って街を走るカットで「青きドナウ」がかかる。このセンス!その後のクラブの駐車場でのダンスシーンもいい。ローランズの友人達に遭遇し、彼女がカッセルを友達に紹介しないことで、カッセルは怒ってローランズを置いて車で帰ってしまう。友人の男性に送ってもらうローランズ。家の前でカッセルが現れ、男につっかかるのだが、一方的にやられ、はずみでローランズを殴ってしまう。というこの展開もいい。ラスト近く、カッセルはハサミで口髭をカットし、叫びながらポニーテールの髪の毛も切ろうとするが、ローランズが止める。この演出の過剰さにも笑ってしまう。
その他、カッセルの母親(カサヴェテスの母親が演じている!)の歯に衣着せぬ物言いの面白さ。結婚式で新婦の名前が出て来ない牧師等も面白い!エンディングはガーデンパーティでホームムービーのようになるのだが、カサヴェテスが力を抜いて、楽しみながら作ったことがよく分かる。しかし、これもまた、他の先鋭的なカサヴェテス映画と遜色のない刺激に満ちた映画なのだ。
#ローランズがデートする、女にもてない、偉そうな男でティモシー・ケリー。ローランズの母親をその実母が演じており、カサベテス夫妻の実母共演。
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