[コメント] 美女と野獣(2017/米)
村と城のみならず、村と丘、丘から森、森から城含めて、距離の描写がメチャクチャだ。冒頭のダンスパーティのシーンにしても、村での楽曲「朝の風景」のモブシーンにしても、スケールが小さくてがっかりする。
しかし、「ひとりぼっちの晩餐会」という燭台・ルミエール−ユアン・マクレガーが導くナンバーの、スペクタキュラーには魅了される。こゝなんか、ほとんどアニメーションとしか云いようがないのだが、エマ・ワトソンとの合成はジーン・ケリーとトムとジェリーを思い起こさせるし、まるでバスビー・バークレイのような真俯瞰や、エスター・ウィリアムズの水中レビューも垣間見せるサービス精神。あゝ、現在における大プロダクション・ナンバーは、こういう形でしか造型できないのである。最後の薔薇の花弁が散り、時計や、ポットなどが止まってしまう見せ方にも感動する。美しい21世紀のミュージカル。
#コクトー版(1946)とアニメーション版(1991)は劇場で見ていましたが、もう殆ど忘却の彼方でした。
#ちなみに、『ラ・ラ・ランド』のエンディングのプロダクションナンバーにも、そのスケールの小ささにがっかりしたのでした。
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