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[コメント] キングコング:髑髏島の巨神(2017/米)

やや緩急に難はあるが、全編サービス精神たっぷりによく見せてくれる。書きたくなる細部は沢山あるが、「放り投げる」という所作、投げられた物の動き、そして動きの終点、あるいは受け取られてからの活用、といった映画的なモノの受け渡しの面白さが随所にある。
ゑぎ

 まずは、ファーストカットが、逆光の太陽をバックに人が空から降って来るカットで、もう既に「放り投げる映画」である宣言がなされている。その他、モノを投げる所作はコングが何度も行うし、人間達も行うが、何と云っても、一行が髑髏島へ乗り込んですぐのコング登場シーン。引っこ抜いた大木やなんかをヘリコプターへ向けて投げ、悉く命中させるのだ。コングの大暴れ自体、やり過ぎじゃないかと思ってしまうのだが、コングの運動神経が良過ぎるとも感じてしまう。

 また、ジョン・C・ライリートム・ヒドルストンへ日本刀(軍刀)を投げ、受け取ったヒドルストンが敵をなぎ倒す、というアクション演出として定石のような場面もある。こゝも現実離れした所作の演出なのだが、上のコングの投擲技術といい、現実に起こり難い事柄をカッコよく見せることこそ映画の演出なのだ。

 さらに、ブリー・ラーソンがライターを投げる場面や、コングと親玉トカゲとのクライマックスの対決シーンでも、投げる動作が基本となっていることを指摘しなければならないだろう。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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