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[コメント] フライト・ゲーム(2014/米=英=仏=カナダ)

リボン、バッジ、ライター、ピストル等々の小道具の出し方や、考え抜かれた人物設定の見せ方といった、云うなればプリプロダクションにおけるデザインのタマモノ、という部分に目が行きがちだが、しかしそういった部分だけではこゝまでの興奮には繋がらないと思うのだ。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 矢張り、撮影現場のアイデアで実装された画面造型をこそ称揚したい。例えばそれはどこなのか。本作においては数えきれないぐらいあるとは思うが、例えばそれは、狭いトイレの中での格闘シーンだ。このシーンには、美術装置もさることながら、カメラをどこに置くのか、どう撮ったら狭さを強調し、痛さを出せ、アクションを繋げることができるのか、といった撮影時のアイデアがいっぱい詰まっているはずだ。或いは、2回ある、人が機内でいきなり浮揚するシーンのスペクタキュラーはどうだろう。1回目(機長の急変により機体のバランスを失うことが原因)で、乗務員がいきなり宙に浮くアクションの衝撃が、2回目(クライマックスの急降下シーン)の爆発的なアクションの興奮を増幅している(つまり1回目をはるかに超える大掛かりな浮揚シーンに満足感が倍増する)と思うのだが、いずれにしても、こういう画面の造型は撮影現場の成果だろう。だからこそ、映画としてこれだけ面白いのだ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)サイモン64[*] Orpheus ドド[*] 3819695[*] 赤い戦車[*]

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