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[コメント] Seventh Code セブンス・コード(2013/日)

いい出だし。有無を言わさぬ理由の分からない展開で映画が走り出す。前田敦子鈴木亮平を追ってきた理由が、もっともっとエンディングまで分からない、といった作劇が出来ていたら、大興奮だったろうに。
ゑぎ

 中盤の、前田敦子と山本浩司が青い車やマフィアの男達を尾行するシーンは、全然迫力がなく、前田が窓に張られたハリガネを触ろうとして山本に止められても、とても電流が流れているとは思えない造型(それは緊迫感の醸成の問題)だったりして、テンションも下がってしまった。相変わらずの廃墟のイメージや、風に膨らむカーテンの刻印なんかも好ましいのだが、やはり、この主演女優を、もちょっと魅力的に造型すべきだろうという思いが堆積していくのだ。

 ただし、ラストカットの超ロングショットはいい。クレーン上昇移動とパンニング。ただゴダールを模倣したにとどまらない構築力だと思う。ラストカットだけでも見る価値がある。

#与謝野晶子の詩が二人の女優から詠ぜられる。 《いざ、天の日は我がために/金の車を走らせよ/颶風〔ぐふう〕の風は東より/いざ、こころよく我を追へ。》

(評価:★3)

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