[コメント] 堕ちた天使(1945/米)
本作のプレミンジャー、絶好調じゃないか。ジョセフ・ラシェルの仕事ぶりもノリノリの感じ。屋内の寄り引き、屋外の移動やパンニング、縦横無尽だ。どうしたら、こんなに自由自在に繋ぐことができるのだろうと思う。もう魔法のよう。
リンダ・ダーネルへのディレクションも見事。最初にキスするカット、ダンスホールで踊りながらのキスが、いきなりローキーになるのも凄い自由。ダーネルは登場カット(これも特筆すべき見事な仰角カット)から一貫して気だるくイライラした造型で統一されているが、ダナ・アンドリュースが終始一貫して傲岸不遜なのも独創的だ。お前無しでは生きられない、なんて科白も偉そうに云う。
タイトルの並び通り(アリス・フェイ、アンドリュース、ダーネルが一枚で縦に並ぶ)、ダーネルは途中退場し、ヒロインは、フェイに入れ替わる。フェイとアンドリュースの関係はイマイチ納得性に欠けるが、エンディングは複雑な感興を呼ぶ。
#備忘でその他配役等を記述する。
ダーネルは、ダイナー(バー)の店員。彼女のテーマとも云うべき、ジュークボックスから流れる曲は「Slowly」。ダイナーの常連で元NY市警の刑事にチャールズ・ビックフォード。
アリス・フェイは町の有力者(故人)の娘。フェイの姉がアン・リヴェール。フェイは歌唱シーンもあるかと思ったがなし。ダーネルと付き合う男にブルース・キャボット。本作ではなかなかハンサム。いかがわしい霊能力者にジョン・キャラダイン。似合っている。出番短いが。
ビックフォードは、キャボットの尋問時にメチャクチャ殴る。普通じゃない。でも、これによって、犯罪映画としての満足感が増している。
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