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[コメント] クレイジー・ママ(1975/米)

ジョナサン・デミの初期作。オープニングのシーンは斜面を活かしたロケーションと、フィルターだと思うが、露出オーバー気味に見える幻想的な画面がなかなかいいのだが、前半は酷いドタバタした演出で、ちょっとゲンナリしてしまう。
ゑぎ

 しかし、この映画、中盤から後半にかけて、またどんどん良くなるのだ。それはモーター・レースや銀行強盗からの逃亡のカーアクションのあたりからなのだが、アクションシーンに続いて、テキサスへ入ってからの岩山をバックにした情感あふれる場面や、プールサイドでの皆で会話する情景など緩急も見事な呼吸を感じさせる。カメラワークも、後半はズーミングが殆どなくなり、トラック横移動の画面が効いてくるのだ。

 クロリス・リーチマンが年増のセクシー美女を堂々と演じている。この人は、『ラスト・ショー』やメル・ブルックス作品のギスギスした役の印象しかなかったので、吃驚した。しかし、タイトルロールはリーチマンだとずっと思わせながらプロットを運ぶのだが、結局最終的にはリーチマンの母親役のアン・サザーンこそがタイトルロールなのだ。途中から仲間になるスチュアート・ホイットマンの押し出しも見事。またリーチマンの娘役のリンダ・パールはかなり可愛いルックスだし、後半になって、きっちりとサービス・ショットをこなすところもえらい。さらに、エピローグにも感動する。という訳で、やっぱり、デミの力量を納得する。

(評価:★4)

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