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[コメント] 一人息子(1936/日)

小津のトーキー第一作は『東京物語』の遥かなる準備作だ。こゝでも飯田蝶子の芸達者ぶりには舌を巻くが、全体的な感想を云うと彼女を含めて物分りの良い好人物ばかり登場し、毒気が希薄で物足りない。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 冒頭で大志を抱いて東京に出たはずの笠智衆扮する先生が、後半になってトンカツ屋の大将になっている、なんてアイロニーはあるのだが、息子・日守新一も息子の嫁・坪内美子も出来過ぎだ。

 また、小津は子供に大病を患わせたり大怪我をさせたりすることで物語の転機を作ることがもっぱらだが、こゝでも近所の子供・突貫小僧が馬に蹴られ怪我を負うことでうまく物語を転がしている。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)緑雨[*]

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