[コメント] ブロークン・フラワーズ(2005/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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意図したものなのかロリータや秘書・クロエ・セヴィニーやサン・グリーンの若々しさと対比するように描かれている。端的には夢のシーンがそうだ。
収斂する行き先のないプロットだと判っていながらも何かに収斂することを期待してしまうのだが、同時にエチオピアン・サウンドと深い意味もなく反復される車窓からのカット(各シークェンスの終了は車から見た風景だとか)に身を委ねていると何にも収斂して欲しくない、と思えてくる。いやとにかく何が面白いのだか自分でもよく理解できないまゝついついニヤケてしまうのだ。乗用車の窓から映した緩やかな移動カットというのはヒッチコックの『めまい』以来、私にとってはある種麻薬のような映画の画だ。
ただ、四人目の訪問先、ティルダ・スウィントンのシーンは唐突かつ暴力的なディスコミュニケーションが描かれており、判りやすく面白い。普通なら笑うシーンではないのだろうが、こゝは声を上げて笑ってしまいました。また、車の中からマーレイを見るジャージの青年のカットがあり、呆然とたたずむマーレイのカットで暗転するラストも判りやすい、私にとってはある意味おさまりの良過ぎるラストシーン。勿論、この青年が息子なのかどうかなんてことは私には既にどうでも良い事柄だし、実を云うとこゝまでの収束も予想だにしていなかったのだから。
#もしピンクの手紙は結局、死者からの手紙だったなんてオチをつけたらジャームッシュじゃない、と思って見てましたが、やっぱりそんなことはしませんね。ただ、墓参のシーンは綺麗なシーンでした。
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