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[コメント] ふり袖捕物帖 若衆変化(1956/日)

今まで見たひばり映画の中でも一番綺麗かもしれないと思わせるぐらい、この美空ひばりは実に色っぽい。町娘、目明しの子分、田舎娘、武家の姫、若侍、洋装姿、祭の若衆と七変化する美空ひばり十八番の題材。殆ど同じような構成を扱った沢島忠ひばり捕物帖かんざし小判』(1958)と比べても甲乙つけがたい面白さだ。
ゑぎ

 早耳の五郎八−ごろはち親分と呼ばれる堺駿二はこゝでもやっぱり上手い上手い。ひばり一家の川田晴久は猫目の権六という別の十手持ちだが、彼も吃音者を上手く演じている。悪役は香川良介原健策でいつもながらの名バイプレーヤーぶり。そして大川橋蔵がへなちょこ侍と何故かひばりの苦境では必ず出現する謎の白頭巾という二面性のある人物を飄々と演じている。

 松村昌治の監督作はどれを見ても手抜きの無い抜群に安定した構図とカッティングで全く安心して楽しめる。それが物足りない(或いはそのマンネリが映画ばなれを招いた)という見方もできるが、日本映画黄金期を支えた立派な仕事ぶりだと思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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