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[コメント] 獄門島(1949/日)

とにかくドリーを使っておけば観客の緊張感を維持できると思い込んでいるのか、これでもかとドリーを使い倒している。飽きが来るけど、なんか可愛い気もする。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 島の斜面や高低を使った良いカットが沢山あるし、全編に亘って、当時の映画人の技術力の高さがうかがえる。同時に、実に現実離れした演出が横溢しており、とても楽しい。まず、冒頭、獄門島へ向かう船の中で登場する原泉(本作のクレジットは泉子、中野重治夫人だ!)は、この当時から晩年と全く同じキャラで、異様な笑い声を披露してくれる。三人の馬鹿娘の一人には、千石規子がおり、同年に黒澤の『静かなる決闘』で見せた演技が信じられない呆けぶりを見せる。中盤から登場する磯川警部役の大友柳太郎。後年よりも老けて見える。恐ろしく早口で、何を喋っているのか殆ど判らないし、すっごく阿呆っぽい。そして、ラスト、謎の解明を行っている最中、片岡千恵蔵金田一がいきなり狂ったように笑って走り出す演出は、なんじゃこりゃ。全くあっ気に取れらた。

 本作も、金田一の助手白木静子役の喜多川千鶴が、丸眼鏡がよく似合い可愛い。それに斎藤達雄の和尚、駐在役の小杉勇、裏鬼頭の進藤英太郎、その妻・月宮乙女、月宮と関係している島田照夫片岡栄二郎)、そしてヒロインの三宅邦子も含め、皆、キャラはよく立っている。

(評価:★3)

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