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[コメント] 紅の拳銃(1961/日)

ご都合主義の連続でプロット構成も台詞もとても幼稚だが、しかし画面造型は見応えアリ。つまり全く日活映画らしい。前半のクラブのシーン等いつも通りの木村威夫らしい美術がいいし、何よりも赤木圭一郎がとびっきりいい顔をしている。
ゑぎ

 さらに本作の脇キャラの作りこみの面白さは特筆すべきだろう。ファーストカットからカメラ目線のモノローグで登場する隻腕の垂水悟郎。やけに明朗な殺し屋育成者を好演している。その妹で盲目の笹森礼子。赤木の別れた女に吉行和子。神戸の親分の女に白木マリ。女優3人の中では白木マリが妖しい見せ場の多い儲け役か。神戸の親分は中国人で小沢昭一がやっている。その弟が草薙幸二郎。怪しい中国人兄弟だ。そこへ藤村有弘も中国人で登場し中国人訛りの演技合戦が始まる。そして小沢栄太郎が香港の大親分に扮するという悪役も豪華版。このように赤木圭一郎の遺作は芸達者な脇役陣を見ているだけでもかなり面白い水準以上の作品だ。ラストも単純なハッピーエンドを避けていい感じ。

(評価:★3)

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