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[コメント] ロベレ将軍(1959/伊)

冒頭の奥行きのない路上の感覚は良いが、前半は何を描こうとしているのかイマイチよく分からない。ヴィットリオ・デ・シーカのキャラクターもよく分からない。
ゑぎ

 矢張り、中盤以降、「ロベレ将軍」が出現してから、或いはデ・シーカが刑務所へ入ってからがいい。緊張感のあるシーンの連続だ。特に監房のドアが並ぶホールで使われる素早く荒々しいズーミングは特筆すべきだろう。病人が出たシーンや夜の空襲などパニック状態を表現する。私は基本ズーミングが嫌いだが、この使い方は目的が明確なので意外に嫌味ではない。

 また、刑務所内の屋外のシーンで、中庭を挟んで内壁に大きな絵を描く囚人とのやりとりの場面がある。この情景が良い。なんだかアンゲロプロスのようだと思う。こゝはやたらと印象に残る。すると、ラストでこの絵の描かれた壁はもう一度使われるのだが、本当にアンゲロプロスのようだ。というと時間が逆で、アンゲロプロスなんかもきっと影響を受けているのだろう。 あと、デ・シーカが役者としても一流であることがよく分かるし、ドイツ人将校のハンネス・メッセマーもいい。

(評価:★3)

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