[コメント] 喜劇 女生きてます(1971/日)
踊り子たちでは、安田道代の扱いが別格で、続いて吉田日出子、久万里由香(ポチ)、あと久里千春、佐々木梨里と出て来るが、本作では誰一人胸を出さない。これはちょっと寂しい。吉田日出子は、他の映画でヌードを見たことがあるし、コメディリリーフっぽい扱いなので、どこかで脱いでくれるシーンがあるかと思って見ていたのだが。
吉田や久万里もメインのプロットがあるのだが、上にも書いた通り、やっぱり一番目立っているのは、安田道代で、特にその夫、橋本功との腐れ縁を描いた部分だろう。橋本は極度の焼きもち焼きで、例によって、ちょっとやり過ぎの強い芝居をしているきらいはあるが、彼が家を破壊する場面は、これぞ森崎東、と思わせる。また、終盤で笠子、倍賞美津子も特出で登場するが、ワンシーンのみでも、きっちり笑いを取って存在感を示すのがえらいところだ。
とは云え、実を云うと、本作は、森繁久彌や踊り子たち以上に、左幸子が主役と云いたいぐらいプロットを引っ張るし、画面をコントロールしているように見える。本作の最も良いシーンは、ラスト近く、芸能社を卒業したポチ(久万里)を訪ね、再会する場面だろう。車中の左幸子たちと、車の後を追って、裸足で出てくるポチ。この道の見せ方も、実に秀逸だ。
#備忘
・久万里由香は、大阪の小屋で登場する。ちょっと頭が弱い。この人は真理アンヌの実妹。
・吉田日出子は短大卒の設定。2年で結婚すると云う。彼女の突然のブリッジは癲癇なのか?田中邦衛とのベランダのクダリはなかなかの見せ場。
・藤岡琢也と吉田が結ばれる旅館のシーン。女中は、谷よしの。クレジット有り。
・ラストの橋本功が「インターナショナル」を唄うのは唐突感あるが、森崎としては、違和感はないのだろう。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。