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[コメント] ひばり捕物帖 かんざし小判(1958/日)

お姫様が武家の堅苦しさを逃れて岡引をしているという設定自体そうとう現実離れしているのだが、この主人公が七変化よろしく町娘、芸者、町道場の若者(男役)、将軍家の奥方、女歌舞伎の太夫と変装を繰り返し、殺人事件の解決にあたっていくというすこぶる荒唐無稽な、しかしサービス満点の映画的な題材だ。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 そして主人公を演じる美空ひばりはどの役柄でも実に艶のある演技で見せ場を作っている。特に将軍家御内室の使いとして登場する場面やラストの歌舞伎シーンは演者としての圧倒的なポテンシャルを感じさせる。沢島忠のスピーディな演出も絶好調。

 彼女を助けるヒーロー役で呑み助の浪人・東千代之介、目明しの子分・堺駿二、悉く事件現場に絡んでくる座頭・星十郎等助演者たちも達者な芸を披露する。また、殺人事件の黒幕で家老を演じる薄田研二の薄気味悪い悪役ぶりも忘れ難い。

(評価:★4)

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