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ゑぎさんのコメント: 更新順

★4すべてが狂ってる(1960/日)これは聞きしに勝る傑作。冒頭、交差点の真ん中に禰津良子中川姿子を立たせて会話をさせるカットで既に瞠目。全編に亘って映画を作る喜びが溢れている。 [review][投票(1)]
★3がんばれ!ベアーズ ニュー・シーズン(2005/米)リンクレーターは子供も大人も実にそつなく描いて見せる。でも何か突出した魅力がない。それはビリー・ボブにおいてもそうだ。うらぶれてはいても気骨があるという描き方でもない。しかし決して中途半端なのではなく、狙い通りのキャラ造型であることも了解する。自堕落さも狡猾さも突き抜けないが、そのことこそ今日的だ。[投票]
★3吸血鬼ゴケミドロ(1968/日)やっぱり見どころは高英男佐藤友美。特撮も美術も今見るとチープな感は否めないが、色使い等の設計は悪くないし撮影現場の創意も感じられる。オーヴァーアクトと強引な展開はこれはこういう映画だと思って笑って楽しむしかない。ラストの視点の大移動にも呆然とする。しかし、何といっても高英男のメイクアップが素敵。[投票(1)]
★4関東無宿(1963/日)ファーストカットが中原早苗。すぐさま松原智恵子進千賀子の高校生トリオをスピーディに繋ぐ巻頭は少々あざといが、平田大三郎演じるダイヤモンドの冬に導かれた刺青師の家で信欣三が登場する仰角カットのなんと格好良いこと。 [review][投票(1)]
★4盗まれた欲情(1958/日)今村昌平は最初っから桁違いの図太さがあった。日本映画史の中で忘れてはならない傑作。喜多道枝香月美奈子武智豊子といった女優陣のバイタリティも大したものだし、西村晃高原駿雄小笠原章二郎らの「雄」の情けなさも胸を打つが、長門裕之の「永遠を見た人」の表情が何と云っても忘れがたい。 [review][投票(3)]
★4アザーズ(2001/米=仏=スペイン)ドアの映画。あるいは窓の映画。いや、光、霧、布地(カーテンやレース)、写真、階段、鏡、鍵の映画でもある。こういった映画ならではの道具立てを使った演出の見本市のよう。いずれの道具立ても綺麗に綺麗に消費されていく。 [review][投票(4)]
★4俺たちの血が許さない(1964/日)長谷百合細川ちか子の持つお盆の上のコップを拳銃で撃つという唐突な演出。前半のこの家での演出が極めて清順らしい出鱈目さに溢れていて楽しい。そんな中で井上昭文が再登場するシーンの仰角画面の厳格さには驚く。またラストの小林旭への演出、フルショットからロングへのアクション繋ぎは見事に映画の感情を倍加させている。[投票]
★3花と怒涛(1964/日)冒頭クレジットバックの雄大な夕景のカットが一番いいか。後は久保菜穂子が背中の刺青を見せるシーン回り、それから鍬入れ式の出入りのモブシーンも迫力がある。全編に亘って照明はそれほど凝っていず清順らしさは希薄。ただし、お座敷のシーンでは向かいの座敷で仲間が遊ぶ姿を見せる、清順らしい縦構図の空間造型だ。 [review][投票(1)]
★3麻雀放浪記(1984/日)実に丁寧に作られていることは認めるが何とも生真面目で面白みの無い演出だ。高品格が映画を支えていると云えるが、彼を筆頭にいかにも役者の魅力で引っ張った映画という印象。暗転やディゾルブの使い方は全くありきたりで官僚的だ。安藤庄平の美しい撮影が勿体無い、画作りという意味での演出の才気が殆ど感じられない。[投票(2)]
★3くりいむレモン(2004/日)空のカットが美しい。美しい青空のカットがあるだけで映画になるのか?なるのである。さて本作は前半が面白い。オフスクリーンが効果的に使われている。バスルームのドアのカット。リビングのシーンの横移動。三者面談や熱海のセールスマン−山本浩司のシーン等ショートコント風シークェンスが散漫な印象を残す。[投票(1)]
★3ノックは無用(1952/米)マリリン・モンローは同じ売り出し中の時代でも『ナイアガラ』なんかよりはずっと好感が持てる。はかない美しさがある。何といっても視線の虚ろさが良く似合う。という訳で真面目に演技するモンローが本作の一番の見どころなのだが、実はルシアン・バラード撮影の画面も特筆すべき部分がいくつかある。 [review][投票(1)]
★4地獄への道(1939/米)ブライアン・ドンレヴィがすぐに引っ込んでしまうがこれが見事な悪役造型。もうこの冒頭だけでヘンリー・キングの演出にしびれてしまう。唐突に登場する列車のカットも必見。また主役二人が乗馬のまま崖から川へダイブするという『明日に向って..』真っ青の演出も凄い。ただしヒロインのナンシー・ケリーが物足りない。[投票(1)]
★3ワイルド・レンジ 最後の銃撃(2003/米)雨や泥濘の西部劇を志向するケヴィン・コスナーというのは誠に好ましいと思うし、正直これだけ堂々たる本格西部劇が臆面も無く作られるとは思ってもみなかった訳で、西部劇ファンとしてはとても嬉しいのだが、反面、どこか違和感のある画面が繋がる。 [review][投票(2)]
★3禁断の惑星(1956/米)冒頭の宇宙船が惑星アルティア4へ接近していくカットが既にかなり官能的な美しさをまとっている。アン・フランシスの脚線とキス・シーンも見どころだが、それ以上に特撮シーンが悉くエロティックで滑やかなフィルムの肌触りを感じる。勿論現在の技術と比べればチープな感は否めないが、しかし今見ても古びない品の良さがある。[投票(1)]
★4ダーク・ウォーター(2005/米)エレベーターの映画的な使い方は日本版の方が上。しかし舞台になる建物の禍々しさは本作が際立っており、彼我の志向の違いが如実に現れている。クライマックスの水量によるスペクタキュラーも圧倒的で、ハリウッドの常套と云ってしまえば身も蓋も無いが、この過剰さこそ映画なのだ。そしてジェニファー・コネリーはなんて美しい![投票(1)]
★3仄暗い水の底から(2001/日)日本の古いマンション。何とも面白みのない装置だ。だがエレベータだけは魅力的で特にその動きの緩やかさが映画的。それは被写体を露見させないという演出において機能しているのである。クラマックスで暴露された「それ」は全然怖くない造型だ。母性の演出に重きをおいているから仕方が無いかも知れないが。[投票]
★4眠狂四郎無頼剣(1966/日)伊藤大輔の影響か甘めの狂四郎。だが画面は本作も殆ど完璧だ。特に天知茂への撮影と編集が恐ろしく肌理細か。印象的なクローズアップからのトラックバックが2回ある。またラストの対決シーン。天知茂が顔を少し振るだけの動作でバストショットからアップへ繋ぐという他で見たことが無いような驚愕のアクション繋ぎがある。[投票(1)]
★4眠狂四郎炎情剣(1965/日)プロローグとエピローグが円環のように同じ道のシーンでいずれも中村玉緒が絡む。エピローグの演出をもう少し違ったものにしていれば完璧だったかもしれない。「ぬいはお慕い申しておりました」なんて云うんだもの。しかし全編に亘って三隅研次の画作りはもう映画の極限と云っても良いぐらいの端整さ。絶好調だ。[投票]
★4剣鬼(1965/日)設定はすこぶる荒唐無稽、演出も奔放かつ大胆だが決めるところは端整に決める三隅研次らしい作品。特に居合いの達人内田朝雄のシーン。前半と後半で雷蔵と2度絡むが、いずれも構図・カッティングとも完璧だ。また雷蔵と佐藤慶との関係性も面白い。花と死体の対比は青臭い気もするがしかしこのラストの演出のテンションは凄い。[投票(3)]
★3銭形平次捕物控 美人蜘蛛(1960/日)三隅研次にこのようなスプーフ時代劇があったとは驚いた。このシリーズはすべからくコメディの要素があるのは承知の上だが本作のふざけ方のレベルはちょっと異なっている。芸者歌手・神楽坂浮子によるミュージカル場面もあるし、「リズム」だとか「カミナリ族」だとかの科白が飛び交ったりする。 [review][投票]