この自身たっぷりで口数が多い大男のどこに魅力があるんだ！

一番気に入らないのは、美しく、一途なメアリーに対する態度。時代だから仕方ないかもしれないけれど、「男ならしゃきっと告白しろよ」と言いたい。

「ただ家の前を通りかかっただけ」だとぉ？ 「君が引き止めるから」「仕方なく」

お前、根性叩き直してやるから、そこ座れ！

自分がピンチになると、年上の伯父のむなぐらを掴んで、罵倒しまくり。途方に暮れて、子供に八つ当たり。金持ちになった友人サムを羨んで、車を蹴飛ばす。彼のおかげで家を持てた住人が住む町でだ。

なんで、神はこんな男を救うんだ？

何故神は彼を選んだんだ？？

子供の頃のジョージは、確かに魅力的に描かれていた。弟のために氷の張った湖へ飛び込み、薬屋のオジサンの秘密を守るとは、なんと男気に溢れた人物だっただろう。けれど、大人になるに従って、魅力どころか嫌悪感さえ覚えてしまう。

ストーリー自体は、「こんな直球もアリなのか！」と言うほど分かりやすいメッセージ。そのメッセージは暖かい。

私は思う。神はジョージではなく、夫に献身的に尽くし、貧しくてもいつも笑顔を絶やさなかったマリアを救ったのだ。マリアの幸せを守るため、偏屈男ジョージを救ったのだと。