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[コメント] ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習(2006/米)

「笑いに包んで現代アメリカを斬る!」みたいなのを期待していると見事に肩透かしを喰らう下ネタのオンパレード。薄ら寒いぞっとするシーンもあるんだけど、そこは笑えない(作り手も笑わせようとしていない)から尚更に。
ごう

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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キリスト教原理主義の集会のシーンは本当にぞっとする。21世紀のこのご時勢にガチで人間は神が創ったんですよと絶叫する連中。巷の新興宗教と何が違うのん?と言いたくなるが、もっとやっかいなのはこういう連中が支持して選んだお方が世界最高(と言っても過言ではあるまい)の権力を持っていると言うことだ。選ばれた人はローマ法王を目の前にして「sir」と呼んじゃったらしいけど。

基本的に対峙する人々は煽る作りになっており、サシャ・バロン・コーエン自身がユダヤ人ということもあり端々にユダヤ叩きは出てくるものの、肝心のこのシーンだけは集会の参加者を煽りもせず、当然ぶつかり合うこともなくボラットは去っていく。まあそれでも上述したように集会の異常性は見て取れるし、そういう意味では成功かもしれないんだけど、それまでのボラットの煽りがハンパ無いだけにちょっと消化不良かなと。見る限りは善良な老夫婦に嫌がらせするくらいならここで一発かましてほしかった。そういう意味で少し覚悟が足らない感じがします。

そこは『モンティ・パイソン』は30年近く前に飛び越えてるんだけどなあ。

(評価:★3)

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